お弁当作りの始め方は、新しく何かを作ることではなく「いつもの夕食を、明日のぶんだけ1品取り分ける」ことから始めるのがいちばん簡単です。買い出しも仕込みも特別なグッズもいりません。キャラ弁や映える盛り付けは目指さなくて大丈夫。続かないのは、あなたの根気のせいではなく、最初のハードルが高すぎる設計になっているだけです。

夜、SNSを眺めていると、きれいに詰められたお弁当の写真が流れてくる。彩りよく並んだおかず、かわいいピック、すきまのない盛り付け。「お弁当作り、いいな。趣味にできたら節約にもなりそうだし」とぼんやり思う。でも次の朝、いつもより30分早く起きて全部作る自分を想像したとたん、「無理だな」とそっとアプリを閉じる。あるいは一度は張り切って作ってみたものの、数日で力尽きてしまった——。

そんな経験、ありませんか。

お弁当作りは何から始めればいい?

今日の夕食を作るとき、おかずを1品だけ「明日のぶん」として取り分けておく。これがいちばんラクなスタートです。朝に一から作る必要はありません。

朝はそれをふたつきの容器に移すだけ。料理という行為を新しく増やすのではなく、すでにやっている夕食作りに「ちょっと多めに作る」をくっつけるだけなので、負担がほとんど増えません。

お弁当作りの良いところは、「自分のために、ひと手間かける」感覚にあります。誰かに見せるためでも、完璧に詰めるためでもなく、明日の自分が少し助かる・少しうれしい、それで十分成立する趣味です。

キャラ弁や映える盛り付けは必要?

まったく必要ありません。SNSで目にするような、すきまなく彩りよく詰められたお弁当は、言ってみれば「上級者の作品」や「撮影用」です。

それを最初のお手本にすると、自分のお弁当がいつも見劣りして感じられて、楽しくなくなってしまいます。最初は、白いごはんと、夕食の残りのおかず1品。それだけで立派なお弁当です。彩りも、かわいさも、続けたくなってからゆっくりで間に合います。むしろ「映え」を一度わきに置くと、お弁当作りはぐっと気楽になります。

なぜ続かないの?

理由は主に3つ「朝に一から作ろうとする」「毎日作ろうとして義務になる」「完璧に詰めようとする」に分けられます。どれも気合いの問題ではなく、力の入れどころを変えるだけで解けます。

「始めたのに続かなかった」には、だいたい共通する理由があります。順番に見てみましょう。

朝に一から作ろうとする

いちばん多いのが、朝に全部作ろうとして力尽きるパターンです。ただでさえ忙しい朝に、新しく数品を一から調理するのは、誰にとっても重労働です。続けることは根性ではなく、設計の問題。「朝に作る」を「夜に取り分けておく」に変えるだけで、ハードルが一気に下がります。

毎日作ろうとして義務になる

「趣味にするなら毎日」と気負うと、作れなかった日に罪悪感が生まれて、それがしんどくて続かなくなります。週5で作る必要はありません。「週2回だけ」「気が向いた日だけ」で十分。お弁当を作らない日があってもいい、と最初から決めておくのがコツです。

完璧に詰めようとする

おかずの彩り、すきまの埋め方、栄養バランス。全部を満たそうとすると、準備の段階で疲れてしまいます。最初は「ごはん+1品」でいい。足りなければ、買い置きのミニトマトや冷凍食品を足すくらいの気楽さで十分です。正解探しではなく、明日の自分が少し助かるかどうか、それだけ見ていれば大丈夫です。

家にあるものでできる最初の一歩は?

所要1分・新しい道具なし・買い物なしで試せます。今日の夕食のついでに、ひとつ取り分けるだけでOKです。

買い物に行かなくても、今夜のついでにできることがあります。

  • 今夜のおかずを作るとき、1品だけ少し多めに作って、小皿やラップで取り分けておく
  • 家にあるふたつきの容器(タッパー)を、お弁当箱として1つ決めておく
  • 冷凍ごはんや、買い置きの冷凍食品を「明日の予備」として1つ確認しておく
  • ミニトマトや漬物など、詰めるだけで1品になるものが冷蔵庫にないか見てみる
  • 「明日のお昼に食べたいもの」を一言だけ思い浮かべる

ポイントは、「お弁当を作る」と意気込まないこと。今夜の食事のついでに、ひとつ取り分ける。それだけで、明日の朝のあなたはもう「お弁当作りを始めた人」です。

続けやすくするコツは?

無理なく続けるためのコツは、ハードルをとことん下げておくことです。

  • 詰めるだけの日を許可する:自炊しない日は、冷凍食品や前日の残り、市販の総菜を詰めるだけでOK。これも立派なお弁当です。
  • 休む日をあらかじめ決める:「週末は作らない」と先に決めておくと、「作れなかった」ではなく「予定通り休んだ」と思えて、罪悪感なく続きます。
  • 同じおかずでいい:毎日違うメニューにしなくて大丈夫。気に入った取り分けおかずを、しばらく繰り返してかまいません。
  • 写真も比較もしない:誰かのお弁当と比べると楽しくなくなります。今日の自分が「食べられればOK」くらいでちょうどいいです。

料理が「やらなきゃ」の作業になってきたら、力の抜き方は趣味が義務みたいに感じてきたらも参考になります。

専用グッズはいつ、何から足せばいい?

「これなら続けられそう」と感じてからで十分です。お弁当作りは家にあるタッパーひとつで始められるので、専用グッズはどれも必須ではありません。

専用のお弁当箱やシリコンカップ、おかずを仕切るバランは、後からで間に合います。足すなら一度に1つだけ。汁もれしにくいふたつきのお弁当箱か、洗って繰り返し使えるシリコンカップあたりが定番ですが、なくても困りません。一般的に、道具より「取り分けやすい夕食のメニューを見つけること」のほうが、続けやすさに効くと言われています。

お金をかけずに楽しめる趣味の考え方はお金をかけずに始められる趣味10選に、短い時間で区切る楽しみ方は5分から始められる趣味にまとめてあります。道具はゆっくりで大丈夫です。

お弁当作りが自分に合うか整理したくなったら

お弁当作りのように「手を動かして、自分のために整える」時間が心地よいかどうかは、人によって相性があります。コツコツ仕込むのが合う人もいれば、もっと味わう側に回るほうが楽しい人もいます。どちらが良い悪いではありません。

もし「お弁当作りみたいな趣味が、そもそも自分に合っているのかな」と気になったら、TinyTrailの無料の趣味タイプ診断(16タイプ)を一度のぞいてみてください。登録は不要です。いくつかの質問から、あなたが「つくる」時間に心地よさを感じるタイプか、それとも別の方向が向いているかをやさしく整理してくれます。答えを押し付けるものではなく、次の一歩を選ぶときの小さなヒントとして使ってもらえたら十分です。今夜のおかずを取り分けたついでに、気楽にどうぞ。