「なんかつまらないな」が続いている毎日
仕事や家のことを一通り終えて、ソファに座る。スマホを開いて、なんとなくアプリを行き来する。動画を見ても、SNSをのぞいても、心が動かない。「面白い」と感じた記憶が、いつのものか思い出せない。
休みの日になっても「やりたいこと」が浮かばず、気づけば一日が終わっている。無趣味な自分。打ち込めるものがない自分。そんな状態がしばらく続いていると、「自分は何を楽しめばいいんだろう」と、ぼんやり不安になることもあると思います。
この記事は、その「なんかつまらないな」を、少しだけほどいてみるためのものです。
つまらないのは、あなたの感受性が鈍いからではない
最初に伝えたいのは、「何をしてもつまらない」のは、あなたの感受性が鈍いからでも、努力が足りないからでもない、ということです。
つまらなさを感じている人ほど、実は「ちゃんと面白いものに出会いたい」という気持ちを持っています。どうでもよければ、つまらないとすら思いません。今のあなたは、まだ「これだ」と反応できる対象に出会っていないだけ。アンテナが壊れているのではなく、まだ電波の合う局を見つけていない、という状態に近いのです。
だから、「自分はつまらない人間だ」と決めつける必要はありません。問題はあなたの中身ではなく、対象との出会い方にあります。
「つまらない」の正体を分解
「つまらない」という一言は、実はいくつかの状態が混ざっています。ここを分けてみると、対処の手がかりが見えてきます。
同じ刺激の繰り返しに慣れてしまった
毎日が同じルートで進んでいると、新しい情報をあまり受け取らなくなります。同じ通勤路、同じアプリ、同じ夜の過ごし方。悪いことではありませんが、繰り返しに慣れると「何も起きていない」ように感じやすくなります。
これは飽きではなく、単に変化の量が少ない状態です。ほんの少し角度を変えるだけで、見え方は戻ってきます。
新しいことのハードルを高く見積もっている
「何か始めよう」と思ったとき、いきなり道具をそろえたり、上手な人と比べたり、続けられるかを先に心配したりしていないでしょうか。
そうやって入り口を立派に作ろうとすると、始める前に疲れてしまいます。本当はもっと雑に、5分だけ触ってみる程度で十分なのに、頭の中のハードルだけが高くなっているのです。
自分が何に反応するか観察していない
毎日いろいろなものを見ているのに、「自分が何にちょっと反応したか」を覚えていない。これはとても多いパターンです。
通りすがりに目が止まった看板、なぜか最後まで読んでしまった記事、つい音量を上げた曲。小さな反応は日々起きているのに、流れていってしまう。観察していないと、自分の好みは見えないままです。
楽しみを「足す」前に「気づく」軸
つまらないとき、つい「新しい趣味を足さなきゃ」と考えがちです。でも、足す前にやってみてほしいのが、「すでにある小さな反応に気づく」ことです。
趣味選びの軸は、大きく分けると次のような視点があります。
- 体を動かすと気分が変わるタイプか、じっとしている方が落ち着くタイプか
- 一人で没頭したいか、誰かの存在をゆるく感じていたいか
- 手を動かして作りたいか、見たり読んだりして味わいたいか
- その場で完結する気軽さがいいか、少しずつ積み上がる感覚がいいか
正解はありません。大事なのは「自分はどっち寄りかな」と眺めてみること。この軸を持っているだけで、つまらなさの中から「ちょっと気になるもの」を拾いやすくなります。
今日できる1分ミッション
頭で考えるより、まず一つだけ動いてみる方が早いことがあります。どれも1分あればできるものばかりです。
- 今日「ほんの少し気になったもの」を、スマホのメモに1個だけ書く
- 普段とは違う方の窓から、外を1分ながめる
- 飲み物をいつもと違う種類にしてみる
- 部屋にある本や雑誌を1冊開いて、目に入ったページだけ読む
- 帰り道を一本となりの道に変えてみる
- 好きだった曲を1曲だけ流して、何を感じるか観察する
ポイントは「楽しめたかどうか」を採点しないこと。つまらなくても構いません。目的は、自分の反応を観察する練習をすることです。続かなくても問題ありません。続く・続かないは根性の問題ではなく、合うものに出会えたかどうかの設計の問題です(このあたりは /articles/why-three-day-monk でも触れています)。
買わずに、いつもの行動を少しだけ変える
「何か始めるなら道具をそろえなきゃ」と思う必要はありません。むしろ最初は、家にあるものといつもの行動だけで十分です。
メモアプリ、いつものコーヒー、本棚の本、いつもの散歩道。これらに「少しだけ違うやり方」を加えるだけで、新しい刺激は生まれます。道具を買うのは、何かに反応した後でも遅くありません。先に出費を増やすと、それ自体がプレッシャーになって、かえって動きにくくなります。
まずはお金をかけずに、行動の角度を1度だけ変える。それで十分なスタートです。「やめてもいい」と自分に許可を出しておくと、不思議と気が楽になります(このゆるさについては /articles/give-up-daily もどうぞ)。
自分の反応の傾向を整理したくなったら
ここまで読んで、「自分は何に反応しやすいんだろう」と少し気になってきたなら、それはもう小さな前進です。
とはいえ、自分の傾向を一人で言葉にするのは意外と難しいもの。そんなときは、TinyTrail の無料診断を入口にしてみてください。16タイプの質問に答えていくと、あなたが「どんな楽しみ方に向きやすいか」の傾向がゆるく見える化されます。何かを始める前の、地図を眺めるくらいの気持ちで使えます。つまらなさをすぐ消す魔法ではありませんが、自分の反応を観察する手がかりにはなるはずです。気が向いたときに、ひとつだけのぞいてみてください。自分の好みのヒントを探すなら /articles/what-do-i-like も合わせてどうぞ。