「写真を趣味にしたい」と思って、最初にやるべきことは何でしょうか。
カメラを買うこと? レンズを調べること? SNSアカウントを開設すること?
実は、どれも違います。
写真を本当に趣味にするために、最初の3か月でやるべきことは、もっと地味で、もっとシンプルです。
この記事では、スマホ1枚から始めて、3か月後に「写真を続けている人」になるためのロードマップを紹介します。
カメラを買う前に必ずやってほしいこと
写真を始めたい人の多くが、最初にカメラを買おうとします。 ミラーレス、一眼レフ、フィルムカメラ。「いい写真には、いいカメラが必要」と思うからです。
これは半分正しくて、半分間違っています。
確かに、いいカメラはいい写真の助けになります。 でも、写真を続けられるかどうかは、カメラの性能ではなく、自分の習慣で決まります。
カメラを買って3回しか使わなかった人を、私はたくさん見てきました。 反対に、スマホだけで3年撮り続けて、いつの間にか上達している人もたくさんいます。
続くかどうかを、最初の3か月で確かめてからカメラを買う。 これが、もっとも失敗が少ない順番です。
月1:とにかく1日1枚撮る
最初の1ヶ月の目標は、ただ1つ。 1日1枚、何でもいいから撮る。
やること
- 朝でも昼でも夜でもいい、その日のうちに1枚撮る
- 被写体は何でもいい:通勤路、食べ物、空、影、自分の手、机の上
- 構図や設定を気にしない
- 撮ったら、自分のアルバムに残すだけ
「写真の練習」ではありません。 「撮ろうとする視線」を毎日作るためのトレーニングです。
注意点
- SNSに投稿しない。誰にも見せない
- 「いい写真を撮ろう」と思わない
- 撮り忘れた日があっても気にしない、翌日また撮る
1ヶ月後に起こること
- 通勤路の景色が、少しずつ違って見える
- 「あれ、撮りたい」と思う瞬間が、1日に何度か訪れる
- 自分が何に反応する人間かが、なんとなくわかる
ここまでで、続けられるかどうかの判断ができます。 1ヶ月で30枚撮れた人だけ、次のステップに進んでください。 30枚撮れなかったら、写真は今のあなたの生活に合っていない可能性があります。それも貴重な発見です。
月2:テーマを決めて撮る
2ヶ月目は、撮るものにテーマを持たせます。
やること
毎月1つ、テーマを決めます。
候補:
- 「青いもの」:街中で青い色を見つけて撮る
- 「文字」:看板、ポスター、手書きの文字、刻印
- 「影」:建物の影、人の影、葉の影
- 「足元」:自分の足、地面、靴、歩道のパターン
- 「窓」:誰かの部屋の窓、お店の窓、電車の窓
- 「赤と緑」:補色の組み合わせ
- 「光と影の境目」:朝や夕方の斜光
1ヶ月、その1つのテーマで撮り続けます。
なぜテーマが必要か
「何でもいいから撮る」を1ヶ月続けると、被写体が散漫になり、自分の写真に統一感がなくなります。 テーマを持つと、**「同じ視点で撮った写真群」**が30枚集まります。
これが、写真の上達と楽しさの第一歩です。
編集の練習も始める
ここで初めて、編集アプリを使ってみます。 おすすめは「Lightroom Mobile」(無料版で十分)。
学ぶことは3つだけ:
- 明るさ調整:暗い写真を明るく、明るすぎる写真を抑える
- コントラスト:被写体をくっきりさせる
- 彩度:色を少し強調する、または抜く
これ以上のテクニックは、まだ要りません。 シンプルな調整を毎日繰り返すことで、自然と「いい写真」の感覚が育ちます。
2ヶ月後に起こること
- テーマに沿った写真30枚が、自分のアルバムに残る
- 編集前と編集後の違いがわかるようになる
- 他の人の写真を見ても、「どこを撮っているか」「どう編集しているか」が見えてくる
月3:他人の写真を観察する
3ヶ月目は、自分以外の写真を見る時間を意図的に作ります。
やること
毎日10分、誰かの写真を見る時間を作ります。
候補:
- Instagram:好きな写真家やフォトグラファーを5人フォローする
- Pinterest:「写真 構図」「ポートレート 自然光」などで検索
- 写真集:図書館で借りる、本屋で立ち読みする
- VSCO:写真好きが集まる SNS。商業的でない作品が多い
観察のポイント
ただ「いい写真だな」で終わらせず、3つの観点で見ます。
- 構図:被写体は画面のどこに置かれているか
- 光:どの方向から光が当たっているか、影はどこに落ちているか
- 色:何色がメインで、何色がアクセントになっているか
これを意識するだけで、自分の撮り方が変わります。
模倣の練習
気に入った写真を見つけたら、似たシチュエーションで真似て撮ってみる。
これは盗作ではありません。 すべての写真家は、先人の作品を真似ることから始めています。 真似ているうちに、自然と自分の好みが見えてきます。
3ヶ月後に起こること
- 自分の好きな写真のスタイルが、はっきりとわかってくる
- 「光」と「構図」が見える眼が育つ
- 撮りたい写真と、撮れる写真の差を感じる
ここで初めて、**「カメラを買うかどうか」**を真剣に考えるタイミングが来ます。
3か月続いたら、初めて道具を検討する
3か月続いた人だけが、次のステップに進めます。
スマホで物足りなくなる理由
3か月撮り続けると、スマホでは限界を感じる場面が出てきます。
- 暗い場所で撮ると、ノイズが多くて使えない
- ボケ感のあるポートレートが撮れない
- 望遠で遠くのものを撮れない
- 食べ物を撮るときの色再現が物足りない
これらが「気になる」と感じたら、初めてカメラの出番です。
最初のカメラの選び方
最初の1台におすすめなのは:
- エントリーミラーレス(5〜10万円):ソニー α6400、富士フイルム X-T30 II、キヤノン EOS R50 など
- コンパクトデジカメ(3〜6万円):リコー GR III、ソニー RX100 シリーズ
- 中古のフィルムカメラ(1〜3万円):オリンパス Pen EE-3、キヤノン Autoboy、ペンタックス Espio
最初のカメラは、**「持ち歩きたくなる軽さと大きさ」**で選ぶのがコツです。 スペックが高くても、家に置きっぱなしになるカメラは意味がありません。
レンズはキットレンズで十分
エントリーモデルには「キットレンズ」が付いてくることが多いです。 最初の半年は、これだけで撮ります。 レンズを増やすのは、「これが撮れない」と具体的に困ったあとです。
写真を続けるための長期的なコツ
3ヶ月の入口を超えたあとも、続けるためのコツがあります。
コツ1:撮る目的を決めない
「いい写真を撮るため」「上手くなるため」を目的にすると、苦しくなります。 **「今の自分が見ている世界を、後で見返せるように残す」**くらいの目的が、長く続きやすい。
コツ2:「公開」と「記録」を分ける
SNSに公開する写真と、自分の記録として残す写真を分ける。 全部公開すると、「見栄えのする写真」しか撮れなくなります。 記録は、家族写真や日常の風景など、何でも撮っておく。
コツ3:プリントする
たまにでいいので、紙にプリントしてみる。 スマホで見るのと、紙で見るのでは、写真の見え方が違います。 「アルバムに残す」という行為が、写真を撮る意味を深めます。
コツ4:場所を変える
同じ場所で撮り続けると、マンネリになります。 意識的に、月に1回くらいは「いつもと違う場所」に行く。 旅行でなくても、隣町の散歩でいい。
写真を始めるのに必要なもの
最後に、3ヶ月の入口で必要なものをまとめます。
- スマートフォン(今持っているもの)
- Lightroom Mobile アプリ(無料)
- 撮るための時間(1日5分)
- 観察するための時間(1日10分)
以上です。 お金はかかりません。
3ヶ月続いたら、初めて道具に投資する。 それまでは、「自分が写真を本当に好きか」を確かめる期間です。
写真は、続けるほど世界の見え方が変わる趣味です。 最初の3か月を乗り切れば、半年後、1年後の自分は、確実に「写真を撮る人」になっています。
TinyTrailの診断では、「写真が向いているか」を含めて、あなたに合う趣味を提案します。 写真を含む複数の趣味候補から、自分にもっとも合うものを見つけたい人に向けたサービスです。